8,030円(税730円)
登り窯で焼成する際に、全ての器を上向きに重ねて窯詰めする小鹿田焼(おんたやき)の通常の重ね焼きとは異なり、お皿とお皿を貝のように伏せて合わせ、次の段には高台どうしを合わせて積み重ねて行く伏せ合わせ焼きは、薩摩苗代川焼の黒もんと言われる黒薩摩の大衆用の日用雑器を量産するために用いられて来た技法だと言います。
重ね合わせる皿の縁には釉薬を施釉しないため、器のふちの部分に土の素地が見えるのが特徴であり、器の意匠でもあります。
また、伏せ合わせの技法では、重ね合わせられた内側は空気が遮断されてしまうため、強い温度で焚き上げなければならず、そのエネルギーが伝わって来るかのような力強さを秘めています。
煮物に揚げ物、カレーに炒めものにお漬け物など、無造作に盛りつけたラフなお料理も器の魅力で普段より2倍増しの素敵な仕上がりに見せてくれる小鹿田焼の器。ぜひ毎日のお料理にご活用ください。
小鹿田焼の里、大分県日田市の皿山は、7月5日に発生した北部九州豪雨で甚大な被害を受けました。
発生から数日後、ようやく窯元さんにお電話が繋がり、皆さん無事でいらっしゃる事をお伺いして安堵したものの、小鹿田焼の土を粉砕する唐臼と水路の破損、登り窯の周辺部や土を採取する山の崩落などで、当面は焼き物作りを行えないとご報告を受けました。
何かお手伝いできる事はないかとお伺いしたものの、器を売って頂くのが一番の手助けになるから、修復までしばらく待っててください、というお返事を頂き、私達は私達で出来る支援を、と考えました。
現在、店頭にある残りわずかの小鹿田焼の売り上げは全て、復興支援のために寄付させて頂く事に致します。また、ご理解の上ご支援をお願いできればと、誠に勝手ながら、今までの通常の販売価格より1割前後、お値段を変更して販売をさせて頂きますので、ご理解頂ける方のご利用をお願い申し上げます。
また、小鹿田焼 復興事業支援金のサイトが開設されましたので、直接のご支援が可能な方は、ぜひこちらからご確認頂ければと存じます。
皆様のご理解とご協力のほど、何卒宜しくお願い致します。
小鹿田焼きは、日田皿山の土の採取から土づくり、足を使った蹴ろくろによる成形と模様付け、現代では殆ど見られなくなった登り窯によって、陶工の長年の勘で昼夜火の加減を調節しながら薪で焼き上げる、全て天然の素材と人の手によって生み出される手作りの器です。
登り窯の焼成においては、窯の中の器の詰み場所や火の加減、窯の温度ほか様々な要素によって焼き上がりが変化します。焼き締め具合によって色の違いや寸法の差が生じたり、火の粉や灰の跡など、溶けた釉薬の表面に不測の変化が現れることも。このような器ひとつひとつの個性は、焼き物の魅力、景色としてお楽しみ頂きたい小鹿田焼きの製法ならではの表情となりますので、ご理解頂ける方のご利用をお願い致します。
また、小鹿田焼のお皿には、重ね焼きの際に重なる高台(お皿の下の脚の部分)と、高台が重なる下のお皿の上面に釉薬が入らず、ドーナツ上に無塗装の輪ができます。今はもうなかなか見られなくなった重ね焼きのこのリングは、小鹿田焼きならではのデザインとしてもメリハリがあって素敵なのですが、色移りや油染みもしやすいため、色の変化が気になる方は小鹿田焼のお手入れ方法をご参照ください。(ちなみに、小鹿田焼きの産地では、どのご家庭でもこのリングが真っ黒になるまで長年使用するのが当たり前なのだそう。)
年月とともに味わい深く変化してゆく小鹿田焼のお皿は、ラフに、タフにとことん使って育てることを楽しんで頂きたい日用の器です。
今から約300年前、福岡県朝倉郡小石原村にある小石原焼(こいしわらやき)から分窯したと伝えられる小鹿田焼。江戸中期、幕府直轄領(天領)であった日田の代官により領内の生活雑器の需要を賄うために興された小鹿田焼の窯元は、一子相伝で弟子を取らず、十軒の窯のみがその技術を綿々と受け継ぎ、今に至るまで開窯以来の伝統的な技法がよく保存されて来ました。そのことを大きな理由として小鹿田焼の技法が1995年に国の重要無形文化財指定を受け、2008年3月には地区全体が「小鹿田焼の里」として重要文化的景観に選定されました。
山里でひっそりと焼かれてきた小鹿田焼が脚光を浴びるようになったのは昭和に入ってから。素朴で温かみのある小鹿田焼を初めて評価し、世に広く伝えたのは民芸運動の先駆者、柳宗悦と英国の陶芸家、バーナード・リーチです。バーナード・リーチは約一ヶ月皿山で製作に精進し、彼の指導した取っ手付けなどの手法は今も小鹿田焼に受け継がれています。
小鹿田焼の伝統の技法には、刷毛目、飛び鉋、指描き、櫛描き、打ち掛け、流し掛けなどがあります。中でも小鹿田焼といえば思い浮かぶ、ろくろを蹴りながら回す蹴轆轤(けろくろ)を使用し、化粧土に小さな鉋の先で削り目をつける飛び鉋の技法は、「世界一流の民窯」と謳われた小鹿田焼開窯から300年、現代においても広く私たちの心を魅了し続けています。
重ね焼きの技法で焼成される小鹿田焼きは、高台と、高台の重なる器の中央に釉薬が施されない化粧土が現れます。この素地の部分は水分をよく吸収するため、お料理の種類によっては色移りや油染みができたり、水に漬け置きして放置するとカビや変色の可能性も…。毎日の食事の積み重ねで生まれる変化は味わいの一つでもありますが、大切なお皿を長くお使い頂くために、陶器の基本的なお手入れ方法をご紹介します。
【購入直後】
小鹿田焼きの高台の底は釉薬がかかっていないため、陶器の素地が出て、ざらっとしています。工場で生産されている器は研磨してあることも多いかと思いますが、小鹿田焼きは研磨されていないので、テーブルや重ねた食器にキズを付けてしまう可能性があります。まずは高台の底をチェックして、目の荒いサンドペーパーで磨いて下さい。昔、我が家では高台同士を摺り合わせたりしていたように思います。
【目止め】
釉薬の表面には目に見えるもの、見えないものがありますが、ぽつぽつとした穴が開いていたり、焼き物によっては釉薬の表面にたくさんのヒビ(貫入)が入っているものもありますね。ここから陶器の素地に色移りや油染みができる可能性があるため、陶器は使用する少し前に一度水に浸し、充分に水分を含ませ、軽く拭き取ってから使用するのが基本の扱い方なのですが、毎回はちょっと…という場合には半年程度は効果の持続するお米を利用した目止めの方法をご紹介します。
1. 大き目のお鍋の中に器が浸るぐらいの米のとぎ汁か、一握りの米ぬか、もしくは薄めたお粥を入れます。
2. 器がよく乾いた状態で、器全体を1の中に浸し、10分〜15分程度弱火で加熱します。
3.お鍋の中に浸けた状態のまま冷ましてから取り出します。
4.少し器が乾き始めてから柔らかいスポンジなどで洗い流して終了。
【使用後】
小鹿田焼に限らず、土ものは吸水性が高いため、臭いが付きやすいだけでなく、水に浸しっぱなしにしたりするとカビが生えてしまうことも…。食事の後はできるだけ放置せず、薄めた中性洗剤でよく洗い、そのあとに熱湯にくぐらせると気化熱で内側の水分まで早く乾燥させることができます。生乾きで食器棚に収納することも大事な小鹿田焼にカビが生えてしまう原因となりますので、しっかりと乾燥させることを心がけましょう。
サイズ | φ245mm×H60mm ※若干の個体差がございますのでご了承下さい |
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素材 | 陶器(小鹿田焼) |
色 | |
仕様 | 伏せ合わせ皿 |
納期 | 1週間 |
送料 | 食器・雑貨 |
ギフト対応 | 不可 大変申し訳ございませんが、小鹿田焼のお皿は破損の危険が高いため、ギフト対応しておりません。何卒ご了承お願い致します。 |
備考 | 電子レンジ・食器洗い機:使用可 オーブン:使用不可 |
小鹿田焼 ご購入のご注意 |
小鹿田焼は土作りから焼成に至るまで、全て手作りによって作られる焼き物です(詳細は小鹿田焼きの個性についてをご参照ください)。商品は一点一点検品し、ご使用に問題のない商品のみを出荷しておりますので、配送による破損以外のご返品・交換はお承りできません。予めご了承お願い致します。 |