曲げわっぱとは、天然の秋田杉の柾目板を薄く板取りし、煮沸して曲げ、桜皮で縫い止めして仕立てた器のこと。その歴史は古く、奈良時代、マタギ(木こり)が杉の生木を曲げ、桜皮で縫い止めた弁当箱を作ったのが始まりだといわれています。自然の厳しさに耐え、弾力性に富む天然のまっすぐな秋田杉を利用して作られる曲げわっぱは、夏には保冷、冬には保温が可能な、自然の力を最大限に生かした古人の知恵の結晶。その製造工程には膨大な手間と時間、訓練を積んだ職人の技を要します。日本各地にも様々な曲げわっぱが存在する中、秋田天然杉の木目、木肌、色、香りを生活用品に集約した日用の工芸品とされる大館曲げわっぱのみが昭和55年に国の伝統工芸品指定を受け、その優れた技術を今に伝えています。
生活の道具として伝わった伝統の技術を今に伝えるべく、「現代の曲げわっぱ」をテーマに現代人の日常生活に適した曲げわっぱを提案し続ける大館曲げわっぱの老舗、栗久。経済産業大臣指定の伝統工芸士であり、栗久六代目の栗盛俊二氏の作る曲げわっぱは、伝統の技術とモダンなデザインを見事に調和させ、秋田県初となるグッドデザイン賞ほか、全国伝統工芸品展・デザイン賞、ロングライフデザイン賞など数々の賞を受賞。手になじみやすい円錐形の完全なオリジナルなど、他に類をみない美しい仕上がりの曲げわっぱを多く作り出しています。
【曲げわっぱのお弁当箱・おひつをご使用になる前に】
製作の段階で狂いのないよう、しっかりと乾燥させた曲げわっぱはご飯がこびりつきやすくなっています。最初の数回は内側を水でぬらし、ふきんで拭いてからご飯を入れてください。繰り返し使用するうちに内側の表面が自然にコーティングされて馴染み、濡らさなくてもご飯がくっつきづらくなり、手入れが楽になっていきます。
無塗装のタイプは油染が付きやすいため、お弁当の油染みが気になる方はウレタン塗装と無塗装に分かれた二段のお弁当箱をお勧め致します。なお、天然木を使用した曲げわっぱは使い込むと徐々に木の色合いも落ち着いてくるため、油染みも徐々に目立たなくなります。
【無塗装の曲げわっぱの洗い方】
無塗装の曲げわっぱは、40℃〜50℃くらいの熱めのお湯ですすいで下さい。これは「湯切り」と言って気化熱を利用して水分の蒸発を促す昔ながらの知恵。すすいだ後はすぐに乾いたふきんで拭き取り、開口部を上向きにして風通しの良い所で何も被せずに乾かして下さい。伏せて乾かすと黒ずみの元になるので要注意。ポイントは熱めの必ずお湯で洗い、曲げわっぱの容器は絶対に伏せて乾燥させないこと。
※お弁当箱やおひつは、まずお湯で少しふやかし、スポンジの柔らかな方でこすり洗いしてぬめりを落としてから上記の方法で洗って下さい。
※お弁当箱は濡れたまま蓋をして時間がたつと黒ずみの原因となりますので、外出先で十分に乾かせる環境のない場合には洗わずにお持ち帰りいただくことをお勧めいたします。
【ウレタン塗装の曲げわっぱの洗い方】
ウレタン塗装を施してある曲げわっぱは、水かぬるま湯で洗い、油がついた場合には薄めた中性洗剤で洗ってよくすすぎ、ふきんで拭き取ってからしまって下さい。この時も開口部は上向きに、湿気のこもらないように保管します。いずれの場合にもたわしやクレンザー等は傷の原因となりますのでご使用にならないでください。
栗久(くりきゅう)曲げわっぱ 弁当箱
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱ 弁当箱
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱの酒器
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱの酒器
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱの酒器
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱの酒器
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱの酒器
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱのお櫃
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱのお櫃
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栗久(くりきゅう)曲げわっぱのお櫃
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